こんにちはblueです。
前回はクエリエディターのホームタブについて説明しました。
今回はクエリエディターに表示されている変換タブの内容について説明します。
変換タブの内容は非常に多いですがよく使うボタンに限ってできる限り平易な言葉で伝えることを目的としますので少しでも理解していただければ幸いです。
~とある会話
ホームタブの構成についてはわかったよ。ほかのタブについても詳しく教えて。
了解です。では今回は「変換タブ」について説明します。少し内容が多いですが、どれも簡単に扱えるので一つでも覚えていってくださいね。
「Power Queryは難しい」というイメージを持たれている方には以下がお勧めです。簡単なボタン操作から、関数を使った処理まで、サンプルデータを一式操作してみるだけでPower Queryが使えるようになります。購入して間違いのないお勧めの一冊です。
結論
•クエリエディターの変換タブは「選択した列に対して行う操作」が存在する
•それぞれのボタンは表示に従ってクリックするだけで視覚的に操作できる
それぞれについて説明します。
(前提)クエリエディター内での操作について
前回も触れましたがクエリエディター内ではエクセルに当たる「戻る」といった操作ができません。
これはクエリが操作手順を記録するといった仕様によるものです。
操作した手順は「クエリの設定」に記録されています。
手順を戻したい場合はクエリの設定のところの「×」をクリックする癖をつけてください。
変換タブについて
変換タブはクエリエディターを開いた際にホームタブの横に表示されているタブのことです。
ここには「選択した列に対して」行う操作がおかれています。
もう一つ横に「列の追加」タブが存在しますがこちらは列を追加して操作を行うものとなっていますので違いを理解しておいてください。
ボタンの種類は多いですが使用頻度の高いもの、使いやすいものについて説明しますので安心してください。
「入れ替え」ボタン
入れ替えボタンは変換タブの左側に存在します。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- 入れ替え…行と列を入れ替えます
以下はテーブルの行と列を入れ替えています。
テーブルのデータの部分(図赤枠)にある行と列を入れ替えます。ボタン一つで入れ替えられるので非常に便利です。
ただこの操作を行った場合、ヘッダーの情報はなくなってしまいます。ヘッダーの情報を残したい場合は「ホームタブ」の「ヘッダーを1行目として使用」を使ってデータ情報にしてください。
「データ型」、「データ型の検出」、「名前の変更」、「移動」
データ型、データ型の検出、名前の変更、移動 ボタンは変換タブの左側に存在します。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- データ型…選択している列のデータの型を変更します。
- データ型の検出…選択している列のデータ型を検出します
- 名前の変更…選択している列の名前を変更します
- 移動…選択している列を移動させます
ただこれらの操作はプレビューウィンドウ内でも可能の為意識して使用する必要はありません。
以下のように列のヘッダーに表示されているデータ型と名前をクリックすると変更ができます。
「値の置換」ボタン
値の置換ボタンは非常に使用頻度の高いボタンです。データの整形によく使われます。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- 値の置換…ある特定の値で検索し、それを別の値に置換します
以下では「米田」という文字を「前田」に置換したり、スペースを削除しています。
値の置換では単純な文字の置換も可能ですが、力を発揮するのは特殊文字の処理の場合です。
上の例では空白を検索し、何もなしに変換することで空白を削除しています。
また以下ではセル内改行を検索し、改行を削除しています。
特殊文字の入力については難しい記号を使用する必要がありますが「特殊文字を使用した置換」にチェックを入れることで簡単に入力することができるので便利です。
なお逆の操作も可能でセル内にあえてセル内改行を追加することもできます。
このように「値の置換」ボタンでは色々なデータ整形が可能です。
「フィル」ボタン
「フィル」ボタンはセル結合をされているデータに対してよく使用します。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- フィル…nullのセルに対して上方向、下方向から情報を埋め込みます
例えば以下のような場合です。
セル結合されているデータをクエリエディターに取り込むと結合された部分のセル情報は「null(何も入力されていない)」になります。
このテーブルに対してフィルの下を実行すると以下のようになります。
なおスペースや特殊文字が入っている場合は空白には見えてもnullとは表示されないのでフィルを実行しても処理はされません。
その場合は一度値の置換を実行するなどしてnullに変更してください。
「リストに変換」ボタン
このボタンはリストを作成したいときに使います。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- リスト…重複した情報を重複のない情報に変換する
リストに変換ボタンを押すと以下の表示に切り替わります。
プレビューウィンドウも同様に以下に切り替わります。
ここで重複の削除を選択すると以下に切り替わります。
この場合は「男」と「女」の情報しかなかったので2つのみになりました。
ここでは他の列の情報はすべて消える為、列に対するリストを作るのに特化したボタンになります。
Office365ではUNIQUE関数を使ってリストの取得ができますがそうでなくてもこのクエリエディターを使えば簡単に取得できます。
「列の分割」ボタン
このボタンリボンの中央に存在しています。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- 列の分割…列の内容を複数の列に分割します
例えば以下のように姓と名前の間のスペースで分割する際は「区切り記号による列の分割」を選択します。
区切り文字を選択し、分割後の列数を選択するだけで可能です。
なお詳細設定オプションで列方向だけでなく行方向への分割も可能です。
また文字数や位置による分割も可能です。
文字数の場合はその名の通りですが、位置は以下のように文字間の位置を指定して複数区切ることもできます。
このように列の分割では特定の文字や位置でデータを分けることができます。
「書式」ボタン
このボタンは列の中のデータを整形したい時に使われます。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- 小文字、大文字…アルファベットの大文字小文字を変更します
- トリミング…先頭と末尾の余分なスペースを削除します
- クリーン…テキスト内の改行文字列を削除します
- プレフィックスの追加…プレフィックス(先頭)に文字を追加します
- サフィックスの追加…サフィックス(末尾)に文字を追加します
以下はトリミングにより前後の余分なスペースを削除しています。
以下はクリーンにより改行文字列を削除しています。
以下はプレフィックスの追加、サフィックスの追加により前後に文字を追加しています。
このように事前にデータ整形したり、追加の情報を入れることができます。
「抽出」ボタン
このボタンはデータの中から特定の情報を取得するときに使います。
このボタンでは以下の操作が可能です。
- 長さ…文字列の文字数を取得します
- 最初の文字…最初の文字から指定した文字数を取得します
- 最後の文字…最後の文字から指定した文字数を取得します
- 範囲…指定した場所から指定した文字数を取得します
- 区切り記号の(前、後、間)のテキスト…任意の区切り記号の(前、後、間)の文字を取得します。
以下では指定した列の文字数を取得したり前や範囲から指定した文字数を取得しています。
なおテキスト範囲を抽出する際の「開始インデックス」は0から開始されます。
区切り位置での考え方か「米」が0から始まると考えてもらえば結構です。
以下は/を区切り記号として前と間のテキストを取得しています。
このようにデータの特定部分を取得したい時に用いることができます。
「統計」、「標準」、「指数」、「丸め」ボタン
これらのボタンではデータ内の数値の計算が可能です。
以下のような項目が存在します
クエリではこれらの計算を関数を使わずに行うことができます。
「情報」ボタン
このボタンはデータ内にある情報を取得するときに使用します。
このボタンでは以下の操作が可能ですが、データの型が数値でない場合は使用できません。
- 偶数…偶数であればTrue, 奇数であればFalseを返します
- 奇数…奇数であればTrue, 偶数であればFalseを返します
- 符号…正の数であれば1, 負の数であれば-1, 0であれば0を返します
このようにこのボタンを使うことで数値のデータの処理が可能です
「日付」、「時刻」、「期間」ボタン
このボタンは日付に関するデータを処理する際に使用します
このボタンでは以下の操作が可能ですがデータの型が日付や時刻でない場合は使用できません。
- 日付…日付データから年月日をそれぞれ取得したり、開始日、終了日を取得します
- 時刻…時刻データから時分秒をそれぞれ取得したり、時間の始まりや終わりを取得します
以下では誕生日のデータから「年の開始日」「時刻のみ」を取得しています。
このようにこのボタンを使うことで日付や時刻に関するデータから任意の情報を取得することが可能です。
ここでのまとめ
今回はクエリエディターの変換タブについて説明しました。
変換タブでは選択列自体のデータを変換する機能が備わっています。
変換結果を別の列に表示したい場合は「列の追加」タブを使うことになりますが同様の操作が可能です。自分でテーブルを用意して操作してみるとよいと思います。
数回も使えば操作方法について理解が深まると思います。
次回がエディター画面のタブの操作に関する最後の内容です。
わかりやすく説明しますのでお付き合いください。
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